投稿した内容とは関係のない人格攻撃や、事実と違う書き込み、匿名の心ない一言。一度目にしてしまうと、頭から離れなくなることがあります。
返信しようか、無視しようか。消えてほしいと思いながら何度も画面を開き、仕事や家事の途中でも思い出してしまう。寝る前に検索して、また同じ言葉を見つけて落ち込む。
SNSで誹謗中傷を受けたあと、こうして気持ちが切り替わらなくなることがあります。
そんなときに必要なのは、「気にしないようにする」ことだけではありません。自分を守るために、見ない、残す、相談するという具体的な対応があります。
誹謗中傷は、あなたの価値を決めるものではありません
ネットに書かれた言葉だけで、あなたという人間の価値が決まることはありません。
とはいえ、「気にするだけ無駄」と自分に言い聞かせても、傷ついた気持ちがすぐに消えるわけではないでしょう。
事実と違うことを書かれたら腹も立ちますし、知らない人から人格まで否定されれば、何度も思い返してしまうこともあります。
大切なのは、書かれた内容と、自分自身の価値をいったん分けて考えることです。
相手の言葉を頭の中から完全に消そうとするより、「今は傷ついているから、これ以上見ない」と決めるほうが現実的な場合があります。
なぜ一件の言葉が頭から離れなくなるのか
たくさんの好意的な反応があっても、一件の強い否定だけが心に残ることがあります。
しかもSNSでは、同じ投稿を何度も読み返したり、自分の名前で検索したり、相手のプロフィールを見に行ったりできます。そのため、本来なら一度で終わるはずだった言葉に、自分から何度も触れてしまうことがあります。
匿名だから必ず攻撃的になるわけではありません。ただ、顔を合わせず、その場で相手の反応を見ることもない環境では、現実の会話より強い言葉が使われることがあります。
「みんなが自分を嫌っている」と感じたときも、いったん画面から離れてみてください。
目立つ言葉と、多数の人の考えは同じではありません。
反論するべきか迷ったとき
事実と違うことを書かれれば、「訂正しないと認めたことになるのでは」と思うかもしれません。
必要であれば、一度だけ事実を簡潔に示すという選択肢はあります。ただし、相手を納得させようとして何度もやり取りを続ける必要はありません。
議論が長くなるほど、投稿を確認する回数も増え、自分の生活まで相手の言葉に引っ張られてしまいます。
訂正することと、言い合いを続けることは別です。
今夜からできること
まずは、見る回数を減らす
エゴサーチをいったんやめる、通知を切る、相手をミュートやブロックする、アプリを開く時間を決める。
どれも、これ以上傷つく情報を自分に入れないための方法です。
特に眠る前は、確認しない時間を作ってみてください。
「何か増えているかもしれない」と気になるなら、明日の決まった時間に確認すると決めて、今夜は閉じても構いません。
削除や通報の前に記録を残す
問題のある投稿は、削除や通報をする前に記録しておきましょう。
スクリーンショットだけでなく、投稿者のアカウント名、投稿日時、URL、書かれている内容が分かる形で残しておくと、SNS運営会社や相談機関、警察などに相談するときに状況を説明しやすくなります。
どこに相談するかは、目的で分ける
相談先は一つではありません。
- SNS上から削除したい
まずは各SNSの通報・削除申請を利用します。自分での対応方法が分からない場合は、「違法・有害情報相談センター」で削除方法などについて相談できます。 - 名誉やプライバシーを侵害されている
法務局では、インターネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害について相談できます。状況によっては、削除依頼の方法について助言を受けられます。 - 危害を加える内容や、犯罪にあたる可能性がある
緊急でなければ、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署に相談できます。身の危険が迫っているなど緊急の場合は110番です。 - 投稿者の特定や法的対応を考えている
弁護士への相談も選択肢です。発信者情報の開示を求める手続きなど、状況に応じた方法を確認できます。
一人で抱え込まなくていい
誹謗中傷を受けていると、画面の中の出来事なのに、一日中そのことを考えてしまうことがあります。
そんなときは、解決策をすぐに決めなくても構いません。
信頼できる人に「こんなことを書かれて、今かなり気になっている」と話すだけでも、自分の中だけで考え続ける状態から少し離れられることがあります。
身近に話せる相手がいない、誰にも相談できないと感じるときは、「こころのよりみち」も選択肢の一つです。
何を言い返すべきかを決めるためではなく、今どんな気持ちなのかを言葉にして整理するために話してみる。そのような使い方でも構いません。
今夜すべてを解決する必要はありません。
まずは記録を残し、画面を閉じて、明日考える。
それだけでも、自分を守るための対応になります。








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